こんにちはのり柴です。
今回はコンパクトPCケース「NR200P」にサイズのCPUクーラー「風魔弐Rev.B」を取り付けた場合、ファンの向きは順向き(排気)、逆向き(吸気)どちらにつけたほうが冷却性能が上なのかを検証したいと思います!
この記事を読むとこんなことがわかります。
- 風魔弐をNR200Pに取り付けた際の冷却性能。
- ファンの向きは順向き逆向きどちらが冷えるのか。
- 順向き逆向きでどれくらいの温度差がでるのか。
これからNR200PでPCを自作しようと考えている方、風魔弐を取り付けようと考えている方などの参考にしていただけたら幸いです。
風魔弐の真の力を引き出す!
なぜNR200Pに風魔弐なのか
NR200Pの高さ制限
NR200Pはそのコンパクトなサイズ故、ガラスパネルを取り付けた場合、高さ153mmまでのCPUクーラーしか取り付けられないという制限があります。
(153mmというのはメーカーの公表値で実際は155mmほどのクーラーであればギリギリ取り付けることが可能)
ですので、最強空冷クーラーと名高いDeepcoolのアサシンⅢ(165mm)や、12cmファン最強と称されるNoctuaのU12A(158mm)といった現行最強クラスの空冷クーラーを取り付けることができません。
風魔弐ならギリギリいける
そんな中、サイズの風魔弐の高さは154.5mmとなっており、NR200Pでガラスパネルを使用する場合でもギリギリ取り付けることが可能となっています。
風魔弐は現行の空冷クーラーのなかでは冷却性能も比較的高く、価格も¥8000(2022年8月時点)ほどなのでNR200PでPC自作する際に選ばれることが多いようです。
マザボとの干渉
ちなみに風魔弐をmini-itxのマザボに取り付ける場合、マザボの一部と干渉して取り付けられない場合があるので注意が必要です。
今回検証で使用するASUSのZ690-iもm.2スロットのヒートシンク部分に干渉してデフォルトでは取り付けられなかったのですが、m.2スロットの上部のプレートを外すことでなんとか取り付けることができました。
風魔弐Rev.B と 旧.風魔弐について
もう一つ注意点として、風魔弐は現状2種類存在しています。
Intel第12世代CPU対応の「風魔弐Rev.B」とそれ以前に販売されていた「風魔弐」になります。
Rev.Bのほうはファンの色が黒色に変更になっている他、最大回転数も1500RPMと強化されています。(旧風魔弐は1200RPM)
今から旧風魔弐を買うメリットはあまりないと思われるので、間違って旧風魔弐を買わないように注意が必要です。
旧風魔弐はすでに製造中止になっており価格が高騰しているため、現状は風魔弐Rev.Bのほうが価格は安くなっているようです。
風魔って名前、海外の人に受けそうな名前だよね。
ファンの向きについて
つぎにCPUファンの向きについて説明します。
順向き(後方排気)
基本的に、風魔弐に限らずサイドフロー型のCPUクーラーは、正しい向きでファンを取り付けると、空気は右から左に流れ、ケース後方部分から排気されます。
この場合、NR200Pはフロント部分にファンがとりつけられないので、グラボから排気される熱々の空気をもろに吸い込んでしまい本来の冷却性能を発揮できません。
逆向き(後方吸気)
ファンを逆向きに取り付けた場合は、空気は左から右に流れ、ケース後方部分から空気を吸気する形になります。
この場合、ケース後方から新鮮な冷たい空気を取り入れることができるので、順向きよりも冷却性能に期待ができるという寸法です。
なるほど逆向きのほうが理にかなっているというわけだ。
今回行う検証について
検証内容
今回行う検証内容は以下の通りです。
- アイドル時のCPU最低温度およびGPU最低温度計測
- CinebenchR23を使用してCPU高負荷時のCPU最高温度を計測
- CinebenchR23をファン回転数をMAXにしてCPU最高温度を計測
- FF14ベンチ暁月のフィナーレを使用してゲーム時のCPU最高温度とGPU最高温度を計測
上記の内容をCPUファン順向き逆向きでそれぞれ行い、冷却性能にどれくらい差が出るのかを検証します。
検証PC
検証するPCのスペックは以下のとおりです。
ケース | CoolerMaster NR200P |
CPU | intel corei5 12600K(定格) |
マザボ | ASUS z690-i |
CPUクーラー | サイズ 風魔弐Rev.B |
グラボ | ASUS ROG STRIX RTX3060TI |
各パーツの詳細やその他のパーツは以下の記事で紹介していおります。
また、以下の記事にて、今回使用しているCPU「12600K」をオーバークロックした際の性能比較を行っていますので興味ある方はこちらもよかったら御覧ください。
ケースファンの向き
ケースファンの向きは、ボトムファン2機から吸気し、トップファン2機から排気するかたちになります。
温かい空気は上に流れる性質があるので、NR200Pにケースファンを取り付ける場合はこの形が基本かつ理想的な形となります。(ガラスパネル装着時)
ファンの回転数
CPUファンとケースファンの回転数制御はASUSの「ArmouryCrate」というソフトに入っているFanExpert4を使用して以下のように設定しました。
- CPU温度0℃~50℃ 回転数40% (およそ700RPM)
- CPU温度70℃到達時 回転数60% (およそ1000RPM)
- CPU温度80℃到達時 回転数100% (およそ1500RPM)
GPUのファン設定やクロック数に関してはデフォルトの設定にしてあります。
その他補足
- 室温:26℃。
- OS:Windows10 Professional
- 逆向き時はケース後方に自作したダストフィルターを装着
となります。
前置きはもういいからはよ結果見せろい。
検証結果
検証結果グラフ
というわけで、いきなりですが検証結果をグラフにまとめてみたのでご覧ください。
表を見ていただくとわかるように、やはりファンを逆向きにつけた場合、順向きに比べてCPU温度は低くなるという結果となりました。
GPU温度に関してはFF14ベンチでは順向きのほうが1℃低くなりましたが、ほぼ誤差のレベルですのでそれほど影響はないように見えます。
アイドル時
アイドル状態のCPU最低温度とGPU最低温度は以下のようになりました。
最低CPU温度 | 最低GPU温度 | |
順向き | 37度 | 35℃ |
逆向き | 33度 | 35℃ |
アイドル時の段階で、すでにファン逆向きのほうが4℃ほど低い結果になりました。
GPU温度に関しては温度に差はみられませんでした。
CinebenchR23 MultiCoreテスト
次にCinebenchR23のMultiCoreテストを一回回してCPUに負荷をかけた際の最高温度は以下のようになりました。
最高CPU温度 | |
順向き | 79℃ |
逆向き | 74℃ |
Cinebenchのテストでは5℃差が出る結果となりアイドル状態よりもわずかに差が広がりました。
CinebenchR23 MultiCoreテスト ファン回転数MAX
続いてCinebenchをCPUファンの回転数をMAXにして回した際の最高温度になります。
最高CPU温度 | |
順向き | 73℃ |
逆向き | 67℃ |
ファン回転数MAX状態だとさらに6℃に差が広がり、逆向きの場合は70℃以下に抑え込むことができました。
ファン回転数が高くなるほど差が出てくるようです。
FF14ベンチ(4K最高品質)
最後にFF14ベンチを4K最高品質設定で回した際の最高CPU温度と最高GPU温度になります。
最高CPU温度 | 最高GPU温度 | |
順向き | 67度 | 62℃ |
逆向き | 58度 | 63℃ |
FF14ベンチでのCPU温度差は9℃と一番差がでる結果になりました。
ここまで差がついた要因は、高負荷状態のグラボから60℃オーバーの熱々空気が発せられていても、逆向きの場合はケース後方から安定して冷たい空気を取り込むことができたからと推察できます。
結構差が出たな。
おまけ
騒音値
ちなみに一応騒音値も測ってみました。
スマホのアプリで計測したので正確な値かどうかは不明です。
スコア
CinebenchのスコアとFF14ベンチのスコアも貼っておきます。
Cinebenchのスコアに300ptほど差がでましたが、冷却性能の違いによるものなのかは不明です。
まとめ
以上、今回検証した結果、以下のことが分かりました。
- ファンを逆向き(後方排気)にしたほうがCPUは4℃~9℃ほど冷える。
- ファンの回転数が大きくなるほど、冷却性能の差は大きくなる。
- ゲームなどグラフィックボードの熱が高くなる場合はかなり差が出る。
- GPU温度にはほとんど影響しない。
やはりNR200Pに風魔弐を使う場合、ファンの向きを逆にしてとりつけたほうが圧倒的に冷却性能が上がるという結果になりました。
特に風魔弐はヒートシンク部分とケース後方部分との隙間が狭いため、外気を取り込みやすいような気がします。
ちなみに、逆向きに取り付ける際のデメリットとしては、NR200Pのケース後方にはダストフィルターがついていないため埃をもろに吸い込んでしまいます。
こまめにケース内を掃除するか、ダストフィルターを自作するなどして対策するのが良いかと思います。
というわけで、のり柴的にもNR200Pに風魔弐を取り付けるのであればファンの向きを逆向きにつけるのをオススメしたいと思います。
風魔弐のファンは逆向きにつけるべし。
以上、NR200Pに風魔弐を搭載する場合、ファンの向きは順向き逆向きどちらのほうが冷えるの?の検証でした。
今回は風魔弐で色々遊んでみましたが、今手元にあるDeepCoolのAK400やAK500を取り付けた場合の検証もしてあるので、後日報告したいと思います!
ではまた~。
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